素直な天邪鬼

素直なようで天邪鬼な自分の波瀾万丈な人生

母の死 母との最期

兄と母の葬儀の打ち合わせを済ませ

(兄はノータッチでしたがw)

 

それからは

私は淡々と日々をこなしていました

 

 

 

当時は感情を抑える事になれすぎて

強い女

鉄の女

と変身した私が存在してました

 

 

 

哀しむのは全てが終わってから

 

 

 

 

末期癌の母を

毎日ひとりで

お世話をして

私は精神的にも肉体的にも

限界を超えていました



けれど何時亡くなるかもしれない母を

思えば弱音や不満は言えない

 

 

 

 

自分に自分でダメ出しをして

毎日を過ごしていました

 

 

 

 

 

鏡に映る自分は

痩せて

 

 

 

顔がキツくなって

 

 

 

顔に似合うように

性格もキツくなっていきました

 

 

 

 

毎日毎日

狭く暗い病室へ行き

 

 

 

折り畳みのパイプ椅子に座って

母の浮腫んだ足を擦る私は

 

 

 

母への愛情は飛んでしまって

機械的な状態でした

 

 

心の片隅で

 

 

いつこの状況は終わるんだろう

母が亡くなると終われる

 

 

 

なんて酷いことを過る自分に

ゾッとしながら

 

 

 

冷たい人間になってしまったと

自分にガッカリして

 

 

 

毎日、自問自答を繰り返してました

 

 

 

 

 

それから

なかなか病院へ足が向かず

 

 

 

病院に着いても1階のロビーの椅子に座って

なかなか母が居る階へ行かれない日が

増えていきました

 

 

 

 

だんだんと母から心も体も離れていき

自分で冷たい娘だと思うのですが

どうにも止められませんでした

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日

夜の7時過ぎにやっと母のいる

病室に着くと眠っている様子の母

 

 

 

 

私は帰ろうとすると

パチッと目を覚ましました

 

 

 

 

その目は虚ろではなく

ハッキリとしていました

 

 

 

 

そして、母は私に手を伸ばしながら

『そばにいて…』

と言いました

 

 

 

 

 

私は両手で母の手を握りました!

 

 

 

母の目を見ながら

『そばにいるから大丈夫だよ』

と声をかけました

 

 

 

 

母の手は冷たく

私は手が温かいので

母の手を温めようと擦りながら

ずっと手を握っていました

 

 

 

 

 

心の中で

ごめんね

そばにいなくて

ごめんね

と何度も謝りました

 

 

 

 

 

面会時間終了の8時になり

母を見ると眠っていたので

小さな声で『帰るね』と言って

私は病室を出ました

 

 

 

 

 

それから帰宅後

病院から着信がありました

 

 

 

 

電話に出ると母が亡くなったと

知らされました

 

 

 

 

 

 

私は自分でも驚くほど冷静で

 

 

『亡くなったのは何時ですか?

 私は8時までいたんですけど』

と聞くと

 

 

『10時過ぎです

 急に血圧が下がって…』

と様子を教えてくれました

 

 

『病院へは来れますか?』

と言われたので

 

 

私は、電話を切ってから

すぐ病院へ向かいました

 

 

 

 

つづく